今年も色々とありましたが、単に自分の合気道の技術的な進歩という意味で言えば、得るものが多かった年かもしれません。
ここ数年、稽古数を増やして黙々とやってきた成果が集まった年なのかもしれません。
特に、何かに気が付いたり、理解が進むような事が多かったのですが、成長する時には、いつも同じようなサイクルになるので面白いと感じます。
何か一つ気が付いたら、芋ずる式にいくつもの事に気がつきます。そうすると、色々な世界が開けてきて、その中から新しい疑問が生じてくるのです。
それが面白くて、新しい疑問の解明にチャレンジしてくわけですが、新しい疑問が生じない段階があるのだろうかと不安な気持ちも存在します。
ライフワークとして取り組んでいくのだから、いつまでも疑問が尽きない方が良いのはわかりますが、いつか、もう何の疑問も無いという状況も経験してみたいなと思います。
あそびの部分をどう使うか
いきなり話題が変わりましたが、今年の最後の話題は”あそび”についてです。
”遊び”ではなく、アクセル踏むときに車が動かない段階のあの”あそび”です。ややこしいので漢字は使いませんね。
例えば、片手取りをした瞬間ですが、自分の体と相手の体について考えてみると、あそびだらけの状態ですよね。
そこから、技が動いていく過程を分析すると、まず、あそびが有って、そこから段々とあそびが無くなって、それからようやくあそびが無くなり、相手に響くようになって技が始動する事になるのですが、このあそびの部分を認識してコントロールする事が大切だろうと思います。
どういう要因であそびが生じているか、ちょっと考えただけでも色々出てきます。
・関節が曲がるとあそびが生じます
・体幹が曲がるとあそびが生じます
・筋肉がゆるむとあそびが生じます
・皮膚がたるむとあそびが生じます
・気持ちが遅れると動作にあそびが生じます
・距離が遠すぎるとあそびが生じます
効率的に自分の力を相手に行使するには、あそびをできるだけ無くして、すぐに響く状態で力を使う事が重要ですし、相手の力を受けないためには、できるだけ多くのあそびを準備して、自分に届く威力を減らしてしまうようにすればいいわけです。
稽古でこの点を意識している人は少ないかもしれませんが、型稽古という稽古方法では、あそびの部分を認識して、コントロールする事が学びやすいと思います。
あそびの部分を意識しさえすれば、技の形も、間合いも、自ずと決まってくるものだと思います。
例えば、2教を掛けている人を見ていると、大きなあそびがある状態から、あそびをかなり小さくした状態まで技を掛けて「掛からない・・・・・」となっている人が多いんですよね。
あっちの方向に力を流すと良い・・とか、このように手刀を切ると良い・・・、等と考えて稽古をしている光景もよく目にしますし、それは非常に良い事なのですが、そもそもあそびが大きすぎる場合、方向を工夫しても技が掛かりません。
また、あそびが解消されていかない動かし方、間合いでやっても技は掛からないのです。
そのため、技を掛ける動作をする段階では、既にあそびが無くなっている状態を作るように動きと間合いを工夫してみてください。その視点で考えるだけで多くの問題が解決するでしょう。
もし、あそびの状態がわからないという人は、まずはそれを知る事からはじめましょう。
動作が相手に影響しないのは、動作が悪いからでは無く、あそびが邪魔をしているだけかもしれません。来年、ぜひ考えてみてくださいね。
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