転身について!

入り身 三角法

初稽古のはじめに、樋口師範が強調された『転換・転身』の重要性について、自分の思うところを書いておきます。

合気道の稽古は、①体の転換にはじまり、②立ち技の呼吸法、③1教と続き、その後、④いくつかの技を選択的に行い、最後は⑤座り技の呼吸法を行います。

上記の①~⑤の技の要素を確認すると、①転換動作、②転身動作、③六方の歩み、④各技の稽古、⑤むすび感覚の養成、について稽古をしていると言える気がします。

重要なものから、できるだけ沢山稽古をするために、このような順で稽古を行うのです。

その中でも、転換の稽古は一つ目に、転身の稽古は二つ目に行うのですから、合気道の核となる技術だという事がわかっていただけるでしょう。

目次

転身について

入り身 三角法

開祖 転身の瞬間

一般的には転回と言われているようですね。少し概念が違うかもしれませんが、イメージ上は同じものだと思ってください。

多少個人的な意見が混じりますが、転換も転身も中心軸を求めて、それが回転することによって大きな力を産み出す技術だと思います。

中心の定まった回転は強い力を持ち、それが大きなメリットとなります。

ただ、メリットが有るだけでなく、デメリットも存在します。

核となる技術とはいえ万能のものはありませんので、理解を高めて上手に利用する努力が必要だと思います。

回転の効果とデメリット

中心軸がしっかりした体の回転ができれば、それはコマのような力を持ちます。

外にはじき出す事ができますし、中心に巻き込む事もできます。

はじき出す力と巻き込む力が同時に生じているので強いメリットとなりますが、軸が固定されると居着いてしまうのがデメリットです。

そのくらい大丈夫では?? と思われるかもしれませんが、合気道が古戦場武道の形をとっている以上、居着いてしまう事は致命的なデメリットになります。

周囲には複数の敵がおり、気を抜いてしまえば、槍で突かれ、弓で射られてしまいます。

転身のデメリットを消す

両足を利用して回転するという構造上、動きが止まってしまいやすいというのは仕方がありません。

しかし、回転をやめてしまえばメリットが損なわれてしまうので、移動しながら回転するしかデメリット減らす方法がありません。

そこで、直線的に移動しながら、軸を止めずに180度の回転をするのが転身です。

丁度、コマを動かした時のようなイメージです。

もちろん、人間はコマではありませんから、ずっと回転していることはできませんから、回転の威力を活用できるのは相手と接触する一瞬のタイミングです。

回転の威力をどう活用したいのかで回転のタイミングは変わり、攻撃をいなすのなら敵の攻撃に触れた瞬間に転身し、技をかけたいのなら技をかける瞬間に転身します。

技の稽古をする時、その技に転身の動作が含まれているのなら、転身をどう活用しているのかを観察してみてください。

例えば、入り身投げや立ち技の呼吸法は、2回転身しているケースと、1度しか行わないケースがあります。なぜなのかを考えてみてください。

そいういう視点で技を見れば、技に対する目線を養うことができると思います。

楽しみながら、しっかりと稽古してください。

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