一重身(ひとえみ)とは?

杖の素振り 風景

先の記事で触れさせていただいた、3つの立ち方のうち「一重身(ひとえみ)」について、もう少し詳しく書いておくことにします。

一重身は、厳密に言えば、立ち方というより状態を表した言葉だと思います。

この状態を実現するために、撞木足を「裏三角」という状態にコントロールします。

つまり、撞木足を裏三角にして立つことにより、一重身という状態を作り出すことができる、というのが正しい認識だろうと思います。(ちょっと私見です(-_-;))

まあ、名前から姿が連想しづらいと思うので、記事を読んでも「どんなものだろう??」と思われる方が多いのではないでしょうか。

目次

何が一重なのか??

ズバリが一重だと考えてください。

通常、立っている人間を正面から見ると、肩が左右2つ見えます。

立っている人間をそのままに、見る側が立っている人の側面に移動すると、左右の肩は直線状に並びますよね。

これが一重の状況です。(^_^)

ただし、真横を向いてしまっていては、敵に側面で対応する事になってしまいますから、できる限りこの体の面を維持しながら相手の方を向きます。

その為の足のコントロールが裏三角なのです。

メリットは??

tsueここは私見なのですが「見切りやすさ」だと思います。

両肩が直線に有る場合、片方の肩に自分の体の全てが隠れる事になります。

例えば、上記の写真のように左肩が前の状態で考えてみてください。(杖も持っていないものとして考えてください。)

相手に対して肩が直線になるように立てば、自分の体のほとんどが左肩の後ろに隠れる事になりますね。

もちろん、厳密に言えば、肩の幅だけで全てを隠すことなどできないのですが、自分の左肩を基準にして、相手の攻撃のラインを見極めやすくなるのがわかるでしょうか?

相手の攻撃に対して、自分の左肩を基準にして右足の位置をコントロールすれば、体の面の角度が変化し、敵の攻撃線を外すことが可能になります。

上記の写真は、杖を突いている途中のものですが、見方を変えれば、杖のある位置に相手の突きが来ていたとしても当らない事がわかると思います。

一重身を上手く利用できれば、相手の攻撃ラインに迫る事も可能なのです。

入り身にも使える

相手の攻撃ラインに沿うように進むことが可能な「一重身」は、入り身に利用すれば大きな優位性を持つと思います。

入り身の場合、相手の攻撃を受け流すだけでも、躱すだけでもありません。

相手の攻撃終了後、あるいは攻撃中に、自分が有利なポジションを取って、いつでも攻撃できる事が大切です。

そして、そいうポジションは、下がってしまったら得難いのが現実です。

敵の攻撃に合わせて、下がらずに前に出て、しかも相手の攻撃を躱すには、一重身がどうしても必要になると思います。

必ず必要になる動きなので、使いどころをしっかり覚えて、適切に利用することができるように、日頃から訓練頂ければと思います。

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