合気道の本質

合気道は、その稽古形態から世間でかなり誤解されていると感じます。

合気道は『剣術の理合いを体術に表したもの』とされています。つまり、体術を中心とする技術体系でありながら、武器の理合いを中心に作られている武道なのです。

この点を理解いただくには、まず日本武道界の歴史上欠くことのできない”武士”という存在を考えていただきたく思います。

武士といえば”刀”が象徴であり、武器を使う文化です。

戦闘となれば武器を使って戦うわけですが、武器も奪われたり落としたりする可能性があります。その為、戦場で生き残ろうと考えるなら、武器を失うことも計算に入れる必要があります。

そうすると、簡単に武器を奪われない事や、武器を失っても戦える、あるいは奪えるといった技術が必要になりました。そこで、発展したのが体術であり、合気道でも同じ考え方を採用しています。

例えば、下の動画では、相手に掴まれて動きを封じ込められる際に、”四方投げ”と呼ばれる投げ技で難を逃れています。

このように、武器での戦いに相性の良い形で形成せれているのが合気道の体術です。

体術は武器技を助け、武器技をより際立たせます。これが武士の時代の武道です。

合気道の稽古では次の3つの点を稽古して、総合的に技量を高めようとします。

①剣術
②杖(棒)術
③体術(柔術)

①・②で武器の理合いを学び、③でそれを活かした体術を磨きます。

合気道の見た目が他の武道と異なるのは、このような技術体系(養成したいもの)の違いがあるからなのです。

かなり古風な現代武道と言えると思います。

————- 2015.1.3 追記 ——————

今の僕は、話を一歩すすめて、合気道は武器術技法で成立している武道であり、体術は武器術の技術向上の為に存在していると考えるようになっております。ただ、将来はまた違う考えをもっているのでしょうね (^_^;)

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