稽古中、指導者と同じようにやってみたのに技が掛からない。よくあることです。
(「完全な真似などできない」という話は、今回はしません。ここでは「同じようにやってみた」ことを前提にします。)
こういうとき、たいていは手順に目が向きます。足の運びが違ったか、手の位置がずれていたか、等ですね。
しかし原因は、技以前のところにあることの方が多いと考えられます。体格、筋力、呼吸力の強さ。当たり前だと言えばそうなのですが、この違いを無視して真似しがちです。
同じ手順でも、同じ結果にはならない
当道場で指導しているのは私です。もし私の力や呼吸力が道場で一番弱く、稽古される方の体格が私と同じで、そのうえでやり方を完全に真似ることができたなら、全員が技を掛けられるはずです。
しかし実際には、私より力や呼吸力が弱い方は当然いますし、体格も人それぞれ違います。条件が違えば、同じ手順をなぞっても同じ結果にはなりません。むしろ技ができる可能性は下がります。
技が掛かるという現象は、一定の条件が満たされているから起きています。そのため、どこかの力がひとつ足りないだけでも条件を満たさなくなり、技が掛からなくなるということです。
やり方が違うのか、体格が違うのか、力が足りないのか。原因が違えば、取り組み方も変わってきます。厄介なのは、その原因を掴むこと自体が難しいという点です。
技が掛からないときの確認手順
そこで、技が掛からない場面に出会ったら、次の順に確かめてみてください。観察するのは自分ではなく、受けを取っている人です。
- 見た目を比べる ── 指導者が掛けたときと自分が掛けたときで、受けている人の姿に違いがあるか。
- 感覚を聞く ── 見た目が同じなら、受けている人に、指導者の技を受けた時とどう違ったかを尋ねる。
- 自分で受けてみる ── 聞いた感覚と、自分が受けたときの感覚を照らし合わせる。
見た目が違う場合
指導者と自分の背格好の違いもある程度考慮に入れたうえで、受けている人の形が同じようになっているかを確認します。
受けている人の姿が極端に違う場合は、その違いを引き起こしている要素が何であるかを特定しましょう。まずは、身長や角度などの外的な要因から検証して、その後、技のやり方を検証するのが良いと思います。
見た目が同じ場合
見た目が同じの場合、基本的には技が掛かっているという事なのですが、それでも、技として効いていないという事はあります。
このような場合は、方法が悪いというよりは呼吸力などが足りない事等が原因という事が多いでしょうから、やり方を研究するのではなくて、呼吸力や力の養成を行うのが良いと思います。
まとめると
技のやり方を覚える、方法を研究している、という段階では、あまり細かいことは意識せず、受け身をしている人の姿が同じになるように稽古をしていきましょう。
形が同じになってきたのならば、そこに、力を加えていくようにします。形を模倣していく段階では、受け身側の協力を得る事も良いと思います。
ただ、形ができた後は、受け身に頼らずに、自分で形をコントロールできるようにしていきましょう。そうすると、しっかりとした技になっていくと思います。
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