「合気道の師範になるには」と調べておられる方は、いつか自分が教える側に立つことを考えておられるのだと思います。ここでは、資格がどう決まるのか、そして実際に指導に立つまでに何が必要になるのかを、当道場(合気道武産会滋賀道場)ができるまでの経緯を交えて書きます。
「師範」の基準は、団体ごとに決まっている
まず知っておいていただきたいのは、合気道の段位や指導者の資格は、所属する団体が定めた基準にもとづいて認定されるということです。全国共通のひとつの試験があって、それに受かれば師範になれる、という形にはなっていません。
当道場が所属する合気道武産会も、段位の認定を独自に行っています。ですので、「何段になれば師範を名乗れるのか」という問いへの答えは、どこに所属しているかによって変わります。まず自分が学んでいる団体の仕組みを確かめるところが出発点になります。
裏を返せば、資格の紙を先に集める種類の話ではない、ということでもあります。長く稽古を続け、その積み重ねを認めていただいた結果として、指導する立場が回ってくる。順番としてはそちらのほうが実態に近いと思います。
段位のほかに、何が要るのか
段位は必要な条件のひとつですが、それだけでは足りません。教える側に立つときに問われるのは、技ができることとは別の力です。
ひとつは、なぜそう動くのかを言葉にできることです。自分の体で正しく動けていても、その理由を説明できなければ相手に渡すことができません。上の段位の審査で感想文や小論文が課される団体があるのは、この部分を見ているのだと思います。
もうひとつは、稽古の場を成り立たせる力です。人数の違う日、経験年数の違う人が混ざる日、怪我をしないように見ておかなければならない場面。技の解説とは別に、その日の稽古全体を組み立てる仕事があります。これは実際に場に立たないと身につきにくい部分だと感じています。
そして、続ける力です。当道場の道場長は1996年に修行を始め、五段を允可されたのが2017年、六段が2025年でした。修行開始から六段まで約29年ということになります。指導者として立つことを考えるなら、こうした時間の幅を前提に置いておいたほうが、途中で見通しを見失いにくいと思います。
誰に習うかが、ほとんどを決める
自分の経験から申し上げると、いちばん効いたのは、誰に習い続けたかでした。
当会でご指導いただいている樋口隆成師範は、半世紀にわたる合気道歴をお持ちです。故 田中万川先生、故 斉藤守弘先生に師事され、その後独立されて現在に至ります。武器技から体術を説明される指導が多く、理合いが筋道立てて示されるため、教える側に回ったときに自分の言葉で組み立て直すことができました。著書に『武産合気』『直傳合気道』『秘傳合気道』があります。
道場長は1996年から現在まで、ずっと樋口師範のご指導を頂いています。滋賀道場で行っている稽古も、開祖 植芝盛平翁を研究するという師範の姿勢をそのまま引き継いだものです。
指導者を目指す方に何かひとつ申し上げるとすれば、短期間で資格を得る道を探すより、長く通える師と場所を見つけるほうが近道になると考えています。ただしこれは私の実感で、別の道筋をたどられる方もおられると思います。
まずは稽古の中身を見てください
指導者になることを考えておられる方にとっても、出発点は同じ稽古です。当道場は週6日稽古を行っており、合気剣・合気杖を中心とした武器技を重視しています。前半15〜20分を武器技と基礎稽古にあて、その後の40分程度を体術にあてる形です。
大人クラスのご案内に費用と稽古時間をまとめています。当道場では見学はお受けしておらず、実際に体を動かしていただく形にしていますので、まずは体験のお申し込みからご覧ください。
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