もちろん、それが全てでは無いのですが、合気道をやる上で大事なのは、位置関係と姿勢だと思います。
位置関係は、相手と自分の位置関係がどうなっているのかという点を把握することが重要なのですが、場所は同じでも、相手の向きの要素が加わることによって、微妙に良い位置が変化することを理解しましょう。
相手の向きを把握するのは難しいですが、立ち方、姿勢などに目を向けて判断しますので、まずは自己と相手の姿勢を把握することが重要になります。
例えば、片手の体の転換と、両手の体の転換は微妙に位置関係が違う印象を受けます。
これは、武器の違いからくる理合と姿勢の違いによるものだと考えているのですが、その話は長いのでまた今度にします。
ただ、姿勢や角度によって、位置関係も違うのだということを覚えておいていただければと思います。
姿勢については、後ろ足をしっかりした撞木足にすること、踵を上げないこと、腰の後ろ側をしっかり意識した姿勢をとること、動く際には姿勢を維持して動くこと、目線を意識して背中が曲がらないよに考えること、この辺りが重要だと思います。
立ち方は、剣の構えの姿勢をベースとして考え、正眼の構え、半身の構え、上段一重身の構え、脇構え、など、各構えの姿勢を理解して、それを体術の動きの中で使用できるようにします。
例えば、横面打ちの受けなどは、半身で相手と対し、攻撃の出どころをとらえて一重身に飛び込んで受け、六方の姿勢に移行しつつ打ち込みます。
その結果、半身構えで受け終わることになりますが、単に横面打ちを受けるという行動の中にも、目的に合った姿勢の変化というものが存在することをご理解いただければと思います。
誤解を恐れずに言ってしまえば、型稽古で重要なのは、相手との位置関係をつかむ事と、その位置にいた時に最も合理的だと考えられる姿勢を知って、変化する方法を学ぶ事だと考えられます。
普段の稽古の中で、ぜひ、位置関係や姿勢意識をしていただければと思いますが、稽古中というのは、なかなか気が散るようにできているようですね。
特に相手を倒したい場合は、どうやって手を動かすのか、どうやって足を動かすのか、相手をどうすれば良いのか、など相手を倒す事に直結する動作を必死に研究してしまうものです。
その際には、自分の目線であるとか、姿勢であるとか、足の向きだとか、進み方や、回り方についても、意識することができなくなります。
そうなってしまうと、位置関係がズレ、角度がズレてしまうので、正しい手の動きをしていても技がかからなくなってしまうのです。
そうなると、技をかける動作は正しいのに、姿勢や位置関係が違うから技がかからない事に気がつかず、正しかった動作を間違った動作に訂正してしまうことになる場合もあります。
そうならないように、自分の技が上手くいかない時は、まずは、位置関係と姿勢について思い出してみてください。
位置や姿勢に問題が無さそうであれば、そこから動作を見直してみましょう。
姿勢は染み込ませてしまうと後が楽
足の使い方、手の使い方、位置関係、姿勢・・・・・ 検証すべき内容が増えてしまうほど、正しい答えを得ることが難しくなるのかもしれませんね。
そこで、検証すべき内容を減らすことができるように、正しい内容で、身に染み込ませてしまう事が可能なものは、身に染み込ませてしまいましょう。
まず染み込ませてしまいたいのは姿勢だと思います。
姿勢というのは、構えを身に着けることで自然に習得できると思います。
たまに、合気道は無構えだという話を耳にすることがありますが、それは上級者の話だと思います。
構えに含まれた姿勢や、理合を失わないようにしたうえで、構えずに立つのが無構えだと思いますので、構えなくても構えたのと同じように立てるまで、構えの稽古をしっかりと行うのが良いと思います。
構えが染み込めば、姿勢も定まりますし、姿勢が染み込めば、それ以外の要素に集中して稽古が可能となります。
ぜひ、日々の稽古に構えを取り込んでみてください。
コメント