後ろ受け身は、合気道をはじめて早い時期に習う受け身のひとつです。ただ、「後ろに倒れて畳を手で打つ」ところまでは覚えても、その先をどうすればよいのか分からない、という声を聞きます。
ここでは、回らない後ろ受け身の手順を整理したうえで、この受け身でできることと、できないことを分けて考えてみます。
後ろ受け身のやり方
回らない後ろ受け身は、次の順序で行います。
- 撞木足で立ち、後ろ側の脚の膝を曲げて腰を落とす
- あごを引き、自分のへそを見る
- 背中を丸めたまま、お尻 → 腰 → 背中の順に畳へ接していく
- 背中が接するのと合わせて、両手のひらで畳を打つ
一番大事なのは、2の「あごを引く」ところだと考えています。腰を落とす動作と手で打つ動作は目に見えるので覚えやすいのですが、あごが上がったまま倒れると、勢いがついたときに後頭部を打ちます。
手で畳を打つのは、体に伝わる勢いを分けて逃がすためです。強く叩けばよいというものではなく、背中が接するのと同時に打てているかどうかを見ます。
なぜ、あごを引くことを先に言うのか
受け身の役割は、技を受けたときに自分の身を守れることだと考えています。稽古中に怪我が起きなければ、色々な稽古がしやすくなり、安心して稽古を続けられます。
そのうえで、受け身にはもうひとつの役割があります。技を受ける側が、技の要点をきちんと体験することです。受け身が早すぎたり形を崩したりすると、その技のどこが効いているのかを学べないまま終わってしまいます。
つまり受け身は、身を守るためのものであると同時に、理合を学ぶためのものでもあります。あごを引く、背中を丸める、といった形は、その入口にあたる部分です。
回らない受け身では足りなくなるとき
回らない後ろ受け身には、はっきりした限界があります。勢いのある技を受けたときに、その勢いを受け止めきれないことです。
倒れる速さがある程度を超えると、背中で受け止める形では衝撃を分散できず、後頭部を打つ場面が出てきます。ここから先は、頭を外して肩で回る後ろ回り受け身に切り替えていくことになります。
後ろ回り受け身のやり方は、後ろ回り受け身の方法 に書いています。撞木足から後ろ脚の膝をつくと体が斜めになり、その斜めを保ったまま回る、という手順です。
回らない受け身をひととおり覚えたら、次は回る受け身へ。この順で身につけていくと、稽古で受けられる技の幅が広がっていきます。
受け身は、文章で読むだけでは分かりにくいところが残ります。どこまで力を抜くのか、どのくらいの速さで倒れるのか、といった感覚は、実際に畳の上で試したほうが早いと思います。
当道場では、体験稽古 を受け付けています。稽古の内容はその日によって変わりますので、受け身を試してみたい方は、お申し込みのときにその旨をお伝えください。
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