当てる場所・反動・姿勢

杖 上段受け 開祖 植芝盛平翁

杖 上段受け 開祖 植芝盛平翁

杖の稽古をしていて、素振りや型を一生懸命に繰り返すのも良いのですが、それだけでは根本的な質が向上しないように感じます。

杖という武器は単純な構造をしており、それ程複雑な使い方が想定できるわけではありません。

突いたり、打ったり、相手を捉えて投げたり、身を守る盾にしたり、いずれの目的に利用するにしても操作方法は限られてきます。

刀等の刃物と違って殺傷力が高いわけでもありません、したがって、上手に当てないと威力が期待できないため、操法の質を向上させていかないといけません。

目指すところとしては、まずは次の点を考慮して稽古をして頂ければよいと思います。

目次

当て方・当てる場所など正確性を考える

スピードと威力のバランスが難しい杖術ですが、威力を向上させる要因は、振りの勢いの向上だけではありません。

振りの正確性を高め、適切な当て方をすれば威力を向上させる事が可能だと思います。

例えば、打つ場合は、杖の角を急所に当てるようにする、突く場合は、弱い部分を真っすぐに突く、などです。

フルパワーでの打ち込みは、どうしても当てる場所にズレが生じてしまいます。

それでは、せっかく力を込めた打ち込みも効果が薄れてしまいます。そこで、少し力を抑えて正確性を向上させる事も重要なのだと思います。

どのように、どこに当てるのか?? この点をまず考えてください。

反動と姿勢も考慮する

杖の素振り 風景忘れがちですが、反動について良く知っておく必要があり、反動に備えた姿勢で攻撃ができるように考えておくことが重要だと思います。

初心者の会員の方の杖の振りを拝見すると【おそらく杖を当てると弾けてしまうなぁ・・・】と感じる事があります。

また【反動で自分の体を杖にぶつけてしまう姿勢だな・・・】と感じる事もあります。

腕だけ伸ばしたような突きでは、当たった際の握力が維持できずに弾けてしまうか、または、弾けないレベルまで威力を落とす必要が生じます。

例えば、上の写真は、突きの途中の写真なのですが、肘から杖の先が直線になっておりません。この段階で相手に杖を当ててしまうと、勢いによっては握りが維持できません。

杖は長物というイメージがあり、できるだけ前に伸ばして突こうとしてしまうのを目にしますが、これもあまりおすすめできません。

刀に比べて長さをメリットと捉えることもはきるのですが、そのように考えて良いのは、熟達者だけだと思います。

熟達者は、長めに使っても反動に耐えうる姿勢と力加減を身に着けています。それで、最大限の長さを活用できるわけです。

私も含めて、未熟な者は、杖が長いなどと考えることなく、まずは体当たりするような気持ちで、しっかりと杖を持つ姿勢を会得するべきです。

試しに、木や、コンクリートブロック、クッションを巻いた柱などを思いっきり突いてみましょう。その衝撃の怖さがわかると思います。

もちろん、正確な打ち込みや突きを身に着ければ、相手の急所を攻撃することになるので、反動についても軽減されると想像できますが、打ち損じたり、突き損じたりすれば、その反動は自分にかえってきてしまいます。

その反動に耐える姿勢は考えておく方が良いでしょう。

逆に言えば、反動に耐えるなど、必要性から姿勢を考えていけば、その姿勢は自ずと良い姿勢になるのだと思います。

日ごろから色々と考えながら、じっくりと研究を重ねていきましょう!!

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