3月4日は昇段審査でした。
滋賀道場からは3名の方が審査を受けられて、3名とも初段に合格されました。
合格された皆さん本当におめでとうございます!!
審査内容は、基本的な技を全て確認された感じのもので、難しい技を要求されなかった分、日頃の稽古内容がモロに出てしまうようなものでした。誤魔化しが効かないので、こういう審査の方が怖いというのが本音です。
初段の審査でメインになってくるのは短刀取り
短刀取りはとても難しい技です。
相手の状況と短刀の状況を両方考慮して技を行わなければならず、刃の向きや形状も重要になります。(型のうえでは決まっていますが、持ち間違い等の見極めは必要です)
本来、刃物には、日本的な反りのある片刃の短刀だけではなく、両刃のものや、短い果物ナイフ、刃渡りの長い包丁、アーミーナイフのような物も存在します。
形状の違いだけで、かなりリスクが異なりますし、仮に、同じ刃物であっても、持ち方が少し違うだけでリスクが跳ね上がり、同じ技では対処できなくなる可能性もあります。
ですから、技の稽古をする際には、色々な短刀の形状や性質を良く考えておく事と、各取り方のメリットや問題点をしっかりと研究して、微妙に異なる状況に対応できるセンスを養っておく事が重要なのだと思います。
そういう意味では、審査で問われる技というものは、短刀取り以外の技も含めて、全て技を考察するための材料だと思います。
良くも悪くも全部教材だという視点
斉藤先生の著書に「開祖はあまりこの技を稽古されなかった」という趣旨の記載を目にしたことがあります。
あまり合理的ではないのですと指摘したうえで、それでも著書から省かずに掲載されていたところに、合気道の武道としての在り方というものがうかがわれます。
学ぶべき教材は、全ての技が合理的な完成形の教材であるべきだとは言えないという事です。
良い技も、悪い技も、開祖が残した教材だと捉えて、自分なりに学んでいくというのが合気道の稽古だという事なのだと思います。
合理的で無いと感じる技は、なぜそのように思うのかを追求し、合理的にするにはどうすれば良いかを掴んでおきます。
ただ、その答えは、あくまでも自分自身のものとして大切にし、審査などは、教材を適切に習得できているかを確認するものだと考えてください。
確かに、個人の合気道の技は、教材たる基本の技を基に千変万化することになるのだろうと思いますが、合気道の審査においては、教材たる基本の技を正確に掴んている事を確認することがとても重要だと個人的に思います。
今回、審査を受けられた方も、あの審査に合格されたのであれば安心です。後輩にも、色々と教えてあげてくださいね。
今後も楽しみながら頑張って頂ければと思います。
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