多賀町での稽古でした。
もう12月、早いなぁ~と思います。もうすぐ多賀大社も大賑わいになりますね。
それではこの日の稽古内容です。
前後振り、合わせ1・2、組太刀の2、組太刀の2変化(剣の理・体の理)、太刀取り
体術
体の転換(流れ)、立ち技の呼吸法、片手取りの1教(表・裏)、片手取り3教、片手取り四方投げ、片手取り合気落とし
伝統武道の稽古形式の重要性
面白い本を読んだことによって、伝統的な武道の稽古方法には意思能力を高める効果があるかも知れない、と思うようになりました。
読んだ本というのが『スタンフォードの自分を変える教室』という本です。
あまり自己啓発的な本は読まないのですが、なんとなく評判につられて読みだした次第です。
内容は『意志力を高める』というもので、簡単に言えば『欲望に負けない方法』です。
まず、昔に構築された人間の環境適用能力の話があって、その生きるための本能が現代では邪魔になる事が説明されています。
続いて、現代において邪魔になる本能を抑える機能(意思能力)の話が展開され、その意思能力を高める方法が紹介されています。
まあ、詳しい話は本を読んで頂くとして、取り上げたいのは『簡単な瞑想などで意思能力が高められる』という点です。
具体的には、5分間ほどの瞑想で、軽度な不快感や欲求不満を経験する事で、かなりの抑制力の向上が期待できるというものでした。
瞑想時は、目を開けて楽な体制をとり、呼吸の事だけを考えで動かないようにするそうです。なるべく痒みなどにも対応しない事。
じっとしていると動きたくなりますし、呼吸以外の事も考えますし、痒くなったらつらいですよね・・・。これらを軽度の負荷とすることで誘惑時の意思能力の強さを高めるそうです。
ここまでを知った時に、適度な負荷が意思能力の向上に繋がるのなら、合気道の稽古作法というのはまさに最適だと感じるようになりました。
要は適度な負荷
- 武道では師範の話を聞くときは正座をします。もちろん、正座の時間は師範のお話次第です
- 左右を交互に稽古し、得意でも苦手でも、全ての技を同じように稽古します
- 好きな内容の稽古をしたくなりますが、指導者の模範演武の通りに稽古します
- 受け身を取らせてもらえることがありますが、どのような受け身になるのかは相手次第です
これらは稽古の作法です。
稽古する時に守るべきルールの一部を、思いついたままにピックアップしたのですが、どれも適度に自分の自由意思を制限している構造になっており、軽度の負荷が加わっております。
この構造は、本で紹介された瞑想法の理屈と似通うところがあります。
伝統的な武道の稽古作法は、もしかすると粘り強い意思能力を育成する構造をしているかもしれませんね。
ちょっと期待してしまった1冊でした。
コメント