合気道は実戦で使えるのか?

gosinこれは、合気道に関する話題の中でも結論が出ない議論だと思います。

賛否両論あるようですが、僕自身は全然違う意見を持っています。

僕の意見は次のようなものです。わかりやすくするために勉強に例えます。

合気道は教科書にあたる
試合は問題集・模試にあたる

ひとつひとつ考えてみますね。

合気道は勉強で言えば教科書にあたる

合気道には『武産(たけむす)』という言葉があります。

これは、武が自然に産まれてくる境地で、新しい技を産み出すという理念です。

通常、産み出された技は、その時の実戦に対処できる効率の良いものになると思います。この産み出された技が集まり、実戦に対応した武道として体系化されていきます。これが実戦武道です。

この実戦武道を作るという行為は、本試験に対処しやすいように問題集や模擬試験を作る行為に似ています。問題集や模擬試験の性質が強いほど実戦的な武道となるでしょう。

武産合気という理念を持つ合気道は、実戦想定されて産み出される側の武道(問題集・模試)ではなく、それを産み出す教科書的な性質を目指しているのです。この点が、合気道と実戦が結びつかない大きな原因ではないでしょうか。

では合気道は実戦で使えるのか?

ここまでで考えて頂ければ「合気道は実戦で使えるのか?」という疑問は、少し性質のずれた疑問だとわかって頂けるでしょうか?

合気道は実戦で通用する技を産み出すことができるのか?」なら、そこそこマッチした考え方になる気がします。

この点どうでしょう? 試合などの実戦想定稽古を放棄した合気道が、本当に実戦に通用する武道を産み出すことができるのでしょうか?

その点についても考えてみたいと思います。

試合が無い方が良い理由がわかる

試合というのは、実戦を予想して、効率よく対処できるように考えられた、問題集・模擬試験のような性質である事がわかっていただけたと思います。

この性質が、武道を産み出すという機能に歪みをもたらすこともわかっていただければと思います。

問題集を利用して他の問題集を作ろうと思ったら、情報量が少ないため限定的なものが出来てしまいます。もし、工夫をせずに作れば、殆ど同じようなものができてしまいます。これでは、試験の性質が変わったら全く対処できません。

武道で言えば、同じ形式の試合ばかりを参考にして武道を産み出したら、それも同じような武道になるという事です。色々な展開に対処できる武道を考えようとしても、どうしても試合の概念が邪魔をしてしまいます。

合格者像が決まっている勉強の本試験と違い、武道の実戦には求められる型がありません。真に自由です。つまり、科目の指定が無く、出題範囲の指定もない本試験となります。ここに、模擬試験の概念を持ち込んでしまうと、本試験像が歪んでしまうのです。

その為、武を産み出すための武道としては、フラットな状態で自由に問題に対処できる性質を持つ必要があります。試合を持ちこまず、勝ち方も定義しないのです。

合気道の型も、そのままでは使えないようにできています。殆どが鍛錬目的として構成されており、技のエッセンスを学ぶようにします。

合気道は実戦で使える武を産み出せるのか?

僕自身が合気道を使って実戦武道を産み出せるかと言えば、『現状では何とも言えない』となります。あまりにも自分自身が未熟ですから・・・。

ただ、一つ言えることは、合気道を役立てられないのは僕自身の問題であり、合気道そのものは全てを産み出し得るという事です。

合気道を実戦でと意識される方は、常にこの辺りの性質を意識して、自分に厳しく稽古なされば良いと思います。どうか皆様、良い武道を創造なさってください。

== 追記 2014.2.28 ==

読み返してみると、言いたいことが伝わっていなさそうなので、加筆・訂正を加えました。

わかりづらくて申し訳ありません。

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