まずは、稽古内容をまとめます。
素振り5~10、陰陽進退
体術
体の転換、立ち技の呼吸法、座技正面打ち1教表、正面打ち入り身投げ、座り技呼吸法
体の転換
最初に体の転換を教える時は、転換の角度を180度で指導します。
「逆の方向を向く」と指導した方が覚えてもらいやすいからです。
ただ、慣れてきたら、転換の角度をもっと自由に考えても良いのではないかと思います。
自分の手を取ってきた者の半身の角度、周囲の状況などを考慮して、敵のいる範囲をカバーできるように転換するのが大切です。
体の転換が持つ大きな役割に「複数を相手にする場合の周囲への配慮」というものがあります。
具体的には、合気道の場合、自分の前面の視界に一人しかいない敵に目を付けて、側面に入り身して横並びし、その者を封じつつ同じ方向を向く事で、もともと背面にいた敵全てを前面に回します。
これが、複数を相手にする時の転換の秘法だという事です。むかしの合戦場などではとても重要な事だっただろうと思います。
ここから考えると、多人数がけの演武などで、転換した直後に背面に敵がいるのはおかしいのです。転換そのものはできても、理合いが身に着いていないという事になります。
このような事態を防ぐために、六方・巴・三角法など別の歩法を活用しつつ転換しない自由な動きも身に着けたいものです。
便利な半転換
斉藤先生の動画などを拝見していると、半転換されているケースを目にします。僕個人的には、武器技の動きのイメージが強い体捌きです。
半転換は、そこからさらに転換したり、転換から違う体捌きに移行したり、とても自由なように感じます。
もちろん、半転換した際に背後に敵が位置しないように考えておくことが大前提です。
襲ってきた相手に対して有利になれるぐらいの側面に入る必要はあると思いますが、相手と半分同調しつつ、相手を視界に入れたまま警戒する事もでき、体勢的にも相手を封じやすい印象です。
ちょうど左の写真のようなイメージを持って稽古してもらうと良いと思います。2の太刀の変化、体の理などにも使用されています。
ここではじめの話に戻りますが、杓子定規に180度転換で横並びになってしまうと、当て身が届かない、または、当てる方向がおかしいという状況になります。
武器技の雰囲気、体術、理合い、トータルに考慮して、バランスの良いところの転換を考えて稽古して頂ければ嬉しく思います。
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