格闘技とか、強さを求めるものでは無くて、護身術のようなものを身につけたいという方は結構いるものです。
ただ、残念ながら護身術の技法に限らず、何もやっていない人が、いきなり、本当に使えるようなものはほとんど無いと思います。
護身術の本などを見てみると、著者の経験が色濃く反映されており、ほとんど古武道の技のようなものから、ステッキ術、ミリタリー的なもの、和風のもの、洋風のもの、投げ技系、打撃系、色々ですよね。
武道も格闘技もやったことは無く、自衛隊や軍隊、特殊部隊のような経験も無い、よくある護身術セミナーをたくさん受講して、護身術を身につけました...というような話は聞いたことがありません。
最近、病院か何かの施設での護身術講習会の風景が動画になっているのを見たのですが、内容はかなり現実的な話であり、こう来たらこうというような、格闘技的な発想ものでは無く、できる事の少ない厳しい状況下で何をすれば良いのかというものでした。
基本的に、一目散に逃げてくださいという内容だったのですが、それだけだと講習会する意味もありませんから、どうしても逃げられない時に・・・という話もありました。
その内容も、非常に合理的で素晴らしいと感じたのですが、ただ、結局のところ、本当に本音を言えば、普段何もしていない人にできる事というのは、逃げる事だけなのだろうと思います。
絶対に逃げられない状況で、暴漢が刃物を持っていたら、覚悟を決めて前へ出てください。腕を切られてください。動画で先生が指導されていて、どちらも合理的で、正にそうだと思います。
しかし、腕を犠牲にして前に出る事ができたとしても、出たその先で相手を行動不能にできないと、もう一度刺されて終わりになるわけです。最後には、何らかの技法が求められてしまいます。
つまり、護身術の下地となる格闘技や武道を稽古しておくことが合理的だという事ですね。
護身術の下地に合気道は向いていると思う
上に書いたように、護身術には色々な性格のものが有りますが、意外と広範囲な護身術に対応できるのが合気道の強みだと思います。
合気道をやっていると、ステッキ術、ナイフ術、杖術、棒術、剣術、さすまた、十手、薙刀、手刀、肘打ち、突き、膝、….もちろん本家には勝てませんが、護身術的な使い方であれば、実は意外と使えます。
武器や体の使用感覚が似ているため、色々なタイプの護身術を見ながら、なるほど・・・と思う事が可能です。
個人的な強さを求めている人は別として、護身術などの身を守るための技法を求めている人で、近くに護身術の教室が無い方については、とりあえず、武器技が数種類と体術が学べる、合気道や古武道の道場を探して、稽古をしておくのが良いと思います。
これらの武道は、技の勉強の為に理想的な型が伝えられています。理想的な型なので、そのまま使用するには難易度が高すぎるのですが、護身術などにカスタマイズするのには非常に向いていると思います。
もちろん、護身術そのものを指導してくれる道場や教室が近くに有る場合は、それを習えば良いと思いますが、意外と存在しないのではないでしょうか?
それでも、身を守ることは必要だと考えている人は、ぜひ一度、普段合気道をしておいて、護身術を応用で勉強する事を試してもらえればと思います。
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