重心と立ち方の問題

六方・半身・一重身最近、立ち方について、色々と質問を受ける事が多いです。

その中で「重心の置き所」というのは一定では無いのが通常でして、本来は指導が難しい部分だと思いますが、一応色々と考えてみました。

単純な話「前なのか、後ろなのか・・・」という点からの質問が多いですね。

これに対しては、半身ならば真ん中か、少し前寄りというイメージがあります。

もちろん、それが全てとは言えないのですが、自分が立っている時の事を思い出してみると、そのあたりが動きやすいと思います。

六方の立ち方の場合も、やや前寄りの重心が安定します。一重身ならばかなり前の方に重心を移しますね。

こう書くと、前寄りの重心が正しいような気がしてしまいますが、開祖の教えを考慮するならば、後ろ脚を中心に定め、前足を動かす事で千変万化の動きをするという事なので、本当は後ろ寄りの重心が正しいのかもしれません。

まあ、重心の問題は、状況次第で変化してしまうので、その時に自分の対応しやすい位置を知っておくことが望ましいでしょう。

それよりも重要なのは「爪先か、踵か・・・」という点でして、これについては、爪先に重心が有った方が良いと言えます。

特に、転換などの回転動作の際に踵を利用しない方が良いでしょう。

爪先に重心を置いて移動する場合、爪先が地面を噛んでしまってブレーキがかかる感じがしますから、前足の爪先に力が入ってしまうというのは、進む事に対してはマイナスに働く可能性もあり、本当は踵の方に重心を持っていくのが良いかもしれませんね。

宮本武蔵も踵を強く踏むとしていたらしいです・・・。

しかし、踵軸にしてしまうと、合気道をするには大きなデメリットが生じてしまうため、爪先に重心を置きつつ、爪先でブレーキをかけない稽古をすることをお勧めします。

撞木足で立つ場合に、前足の踵中心に180度方向を変える(後ろを向く転身)と、体の胴の位置がそれ程変わりません。

しかし、爪先中心に180度方向を変えた場合、一足分胴体の位置がズレます。

このズレが、相手の攻撃に小さな動きで対応する場合に、大変大きなアドバンテージになるのです。

逆に言えば、踵を中心にした転身は、体幹の軸をブレさせることなく回転させる事ができるという事なので、強い回転が必要な場合は踵を使う事も有りなのかもしれません。

しかし、合気道は専守防衛の護身術ですから、まずは身を護る方のメリットを確実に活用する事が大切です。

まずは爪先を中心に体を動かせるようになったら、その時に、違う使い方も研究して頂ければと思います。

爪先重心については、あの佐川幸義師範が肯定されていたので、上手く使えば大丈夫という事ですよね。

物事の良い面と悪い面を両方把握して、適時に使い分けられると最高ですね。

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