初心者に知ってほしいことの4つ目は、稽古方法の種類ですね。
これは、このブログでも何度か書いている話なのですが、早めに理解していただくとありがたい内容です。
開祖は、人の成り立ち、技の成り立ち、として三元を強調されていたようです。構成要素という方が良いのかもしれませんが、例えば、人体は「固体・液体・気体」(三元)で構成されているという事です。
私は、開祖没後に合気道をはじめているため、他の先生の解釈を参考にしたり、自分なりの視点から原則を勉強していくしかありませんので、もしかすると、解釈に誤りがあるかもしれませんが、私が合気道の指導をさせていただく場合、この三元の性質に則った稽古方法を採用してを行いますので、初心者の方には知っておいていただけるとありがたいです。
三元とは??
滋賀道場では、合気道の技を構成する三元のことを「固体・流体・気体」の事であると定義しております。
固体には剛と柔が存在すると思います。(柔の部分を流体と定義するのが本来の考え方なのかもしれませんが、今の自分としては、どうしてもイメージに合わないです・・・。)
人体の構成という事で考えるのであれば、肉と骨が固体、血やリンパ液などが流体・呼吸が気体という事になるでしょう。
同じような原理で全てのものが成り立っていると考えれば、合気道の技においても、この三態の性質を構成することで成り立っているはずなのです。
技の構成を三元で考えると、筋力や骨を鍛え、構えなどの強化をする部分が固体の強化です。そこに、動きの流れ、力の流れ、等の流体の要素が加わり、さらに、意、念、気、拍子などの形の無いものが気体として加わって技を構成するわけです。
稽古方法事態にも、上記の技の三要素を伸ばすために三元の考え方が盛り込まれており、次の3つの方法が存在していると考えています。
- 固い稽古
- 流れの稽古
- 気体の稽古
固体の稽古について
相手にガッチリと取らせて固定されたところから始める稽古です。相手を固定することから始まる稽古なので後の先の位置づけです。
しっかりした骨と筋肉を強化するために、高い負荷があるように稽古しなければなりません。
固定された状態から動き出して、流体の動きを確認しながら、重要な呼吸力を強くしていくことが大切です。
重要なのは、受け手は、技をする者を固定する事を目指すという点です。
固定できるように色々と工夫していれば、自然と流体の内容についても理解していけるようになります。
なお、自由に動いて、創意工夫で抵抗して技を妨害する場合は、荒稽古という乱取りに近い稽古になります。この稽古方法は、どちらかと言えば気体の稽古に分類されると思います。
流体の稽古について
流れを作る、或いは流れに乗るイメージの稽古で、基本的には相手と接触した瞬間、または同時進行で技を掛けるようにする稽古方法です。同時進行であるので先の稽古です。
固い稽古をたくさん行っていると、そこに流れが有る事がわかってきます。大きな流れと小さな流れがあり、固定された状態から呼吸力を使うことによって流れを作り出すイメージなるかと思います。
この流れを使う部分が一番重要になった稽古方法が流体の稽古であり、この稽古は実戦の入口だと書かれていたように思います。
適切な流れを使って技の稽古を行い、最初から最後まで流れが途切れない状態を目指します。固い稽古では数手の動作の途切れが有った技を、1手で行えるようにします。
流れに合わせるためには、むしろ離れている時から相手に合わせている事が大切であり、その部分の感覚が伸びていきます。これが気体の部分の入口です。
気体の稽古について
離れた状態が大切だと考えるようになったところから始まる稽古方法だと考えます。それは、意識の問題であったり、イメージを現実にするための念であったり、リズム(拍子)などの形を持たないが、確かに存在するものを見つけて、利用する段階の稽古です。
基本的に、先の先に位置づけされると思います。
試合や実践がそれだろうと考えますが、合気道では、試合をしたり、型にするのは難しいため荒稽古のような稽古方法が適切かもしれません。
打ち合わせを一切しない演武もこの段階を稽古するために行うように思います。
武道では、無我の境地が表現されているケースを目にしますが、これは、この段階での一定の成果が表現された1つの形だと思います。
気体の稽古についても、いくつかの有効な稽古方法は存在しますが、誰でも稽古ができるようにするために、まだまだ研究の必要な稽古方法だと思います。
どの段階でも全てが有るがメインが違う
どの稽古方法でも、固体・液体・気体の性質は揃っております。ただ、各稽古方法によって、どの部分がより強化されているのかという点が異なると思います。
稽古の順番としては固体の稽古で土台を作る事からはじめていくのが良いと思います。固体の稽古をしていると、流体や気体の稽古の事を考えるようになっていきますので、そこから流体、気体の稽古に入っていきましょう。
初心者の方は、上記の稽古方法を理解したうえで、まずはしっかりと固い稽古を積み重ねてください。

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