武道では、攻撃に対処する方法を学びます。
合気道の場合は、次の3つの対処方法を中心に習います。
「受け止め・受け流し・躱す」です。
これは言い換えると六方・半身・一重身のイメージとなります。
六方・半身・一重身はいずれも立ち方の呼び名で、各対処方法が行いやすい立ち方となります。
受け止めたり、流したり、躱したり、当然のことながら、全てを同じ立ち方で行うわけでは無く、適した姿勢があります。
各立ち方が持つメリットとデメリットを適切に把握して、適切な利用方法を身に着ける事が基本です。
技と立ち方の変化の関係について、あまり意識していないという方は、ちょっと意識をしてもらうと良いと思います。
六方の利用から
全部説明していると終わらないので、六方の姿勢の活用を書いておきます。
「六方」は当会独自の呼び名です。
剣の構えで言えば真っ直ぐな構えです。
剣道のように真っ直ぐに木刀を持って、真ん中で相手の動きを制するように構えます。
足は前後に開きますが、爪先を左右に開いた状態にします。
丁度、撞木足が斜めになったような状態から、自分が一番しっくりくる状態へと微調整していきます。
このあたりの足の使い方は剣道と異なるところです。
この状態で、木刀を持たないで立てば、当会の六方の立ち方となります。
まあ、どこの道場でも使う立ち方ですね。
メリットは、前方に強い力を発揮して、直線的な呼吸力が出しやすく、相手とむすびを作り易いという点があげられると思います。
真っ直ぐに前方に力が出せる事から、相手の攻撃を直線的に捉えやすく、受け止めるのにも向きます。
つまり、相手の攻撃を受ける際には、この立ち方が使いやすいと言えます。
デメリットは、護身術的に見て隙の多い立ち方であるという点です。
真正面を向いているため、相手からの攻撃可能面積が広くなります。
そのため、多様な攻撃箇所と、攻撃方法の選択肢を与えてしまう可能性が高く、相手の攻撃パターンを絞り込む事ができません。
つまり、相手と対した時に利用する立ち方では無い点に注意が必要です。
もちろん、合気剣においてもこの構え方では相手と向かい合わない事を覚えておいて頂ければと思います。
合気剣では、開祖の写真のように半身構えが基本となります。
相手を崩す時と攻撃を受ける時にさっと変化する
六方の立ち方のメリットは、相手に対して強い力を出せる事と、安定して攻撃を受け止める事ができる事です。
つまり、その2つが必要な時に、さっと変化して利用すべき立ち方です。
普段は隠しておいて、必要に応じて変化して利用する立ち方のイメージを持って頂ければと思います。
ですから、この立ち方を稽古する際には、必ず他の立ち方からの変化もセットで稽古をしてください。
まあ、一教にも、入り身投げにも、稽古の中に変化の動きも織り交ぜてありますから、あまり意識しなくても、いずれは身に着いてくるはずなのですが、意識をすると精度が向上するのが人間です。
また、意識できないと、僅かに利用される重要な動きを見逃してしまう事もあるのです。
是非、日頃の稽古で意識して利用してください。
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