京都市武道センターで合気剣入門講座が開かれました。この入門講座は一般の方向けの講座で、数名の参加がありました。
合気道を他の会で稽古されている外国人の方も参加され、全く言葉がわからいない状態ではありましたが、僕が一緒に稽古させていただきました。
素振り~合わせ法
入門講座だったので、基本的な素振りから合わせ法までを稽古されました。実は、基本の素振りと言っても慎重を要します。何故、慎重を要するのかと言えば、合気剣の構えを自然に取る事が難しいからです。少し詳しく解説してみます。
合気剣は半身に構えますから、下の写真のように剣が斜めになります。
この写真では斜めの角度が浅いですが、剣が斜めになる角度は撞木足の深さで決まります。撞木足が裏三角に近づくほど剣は斜めになるのです。
もっと具体的に言えば、丹田と剣の柄が結ばれており、撞木足が深くなって丹田が動けば、それに合わせて剣の柄も動くので、斜めになっていくという状態です。
そこで、慎重さを要する点というのは、剣と丹田を結ぶという感覚が確立されていない状況だと、手首と腕で見た目だけ剣を斜めにしてしまうので、まずは十分に丹田と剣の柄を結ぶ感覚を養うことが必要だ、という点になります。
ここを手と腕で形だけ合わさないように見張るのが僕の役目であり、そこをずっと注意されるのが指導を受ける側のメリットだとも言えると思います。
合わせ法でリアル合気剣教室に(^_^;)
素振りの後は『合わせ法』を稽古しました。
簡単に説明すると、合わせ法は、①相手と完全に同調(合わせて)して行動し、同時に振りかぶって同時に振り終わるようにする、②相手の切込みの勢いに合わせて、常に小手の前に剣先がくるように間合いをコントロールする、この2つが目的の稽古です。
この説明では型がイメージできないでしょうが、要するに切られない工夫をする稽古ではありません。
しかし、外国人修行者の方にこの原則を説明する言語力など私にはありませんでした。はじめ、外国人修行者の方は、型を見たまま稽古されていました。
その外国人修行者の方に、樋口師範が次のように指導されました。
「いくら合わせ法(切る事が目的ではない稽古)だと言っても、相手がいない方向を向いて振りかぶる事はないです。振りかぶる際には相手の方を向きましょう。」
これはもちろん、相手の方を向いて振りかぶり、そして真っ直ぐ切込みなさいという意味なのですが、そのような微妙なニュアンスは通じなかったようでした。
次の瞬間、移動すると剣が追ってくるリアル合気道のスタートです。予想していなかったので冷や汗がドッとでました。 (^_^;)
もう一度言いますが、合わせ法の型は躱すことを前提にしておりません。引き付けて体を開いたら一刀法になりますし、受け流しても別の型になります。これでは、外国人の方には何が正しい型なのかわからなくなってしまいます。
よーし、こうなったら、誤解をうまないためにも、型を変えずに完璧に躱してやるぜ!! と思いましたが、合わせ法の型を維持したまま動きを悟らせない方法が見つかりません。(個人的には大変勉強にはなりました。)これでは稽古としてあまり意味が無くなってしまいますね・・・。
全てを行動だけで伝える事は出来ないのかもしれませんね・・・・。言葉も大切なようです。
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