この話を読む前には、かならず「初心者に知って欲しい事④」の記事を読んでください。
この記事では、上記の記事のような稽古方法が存在することを前提として、では、どのように受け身を取っていくのが良いのだろうかという話になります。
まず、大前提としてのお話ですが、私はあまり受け身を考えるのが好きではありません。基本的に自然なものだと思っているので、受け方を定義するのが嫌いなのです。その事を前提にお読みいただければと思います。
基本的な受け身
技を受けた時に身を守れる、というのが受け身の基本だと思います。要するに稽古中に身を守る役割をするのが受け身であるという考え方です。
これが一番普通だと思います。怪我が起きなければ、色々な稽古がしやすくなりますし、安心して稽古ができます。
しかも、できるだけ技の効果や形を変えないようにして、ダメージを最小限化できるのが最も良い受け身だと思います。
この考え方が崩れると、受け身に合わせて技の形を変化させる必要が生じてしまいます。ここは注意して稽古しないといけません。
では、私が考える基本的な受け身の想定について少し説明しておきます。
受け身をどう捉えるのか?
滋賀道場で指導をするにあたって気をつけているのは、受け身の役割を失わないようにする事です。
上記のように、身を守る事ができるのが受け身の重要な役割だと考えますが、それは狭い意味での役割となります。
もっと重要なのは、受け身側の役割そのものです。
受け身側の人間がどうしてそのような行動を取るのかという動機づけの部分であり、動機づけがしっかりとすれば、受け手の行動が、動機を実現するために質の高いものなのかという判断ができる事に繋がります。
例えば、片手取りという行動を見て、これはどのようなシチュエーションで活用するのが有効なのかと考える事ができれば、どのように取ればさらに有効になるのかと考える事ができます。
私の場合は、短刀や刀などの武器を持った人の小手を抑えて、仲間に倒してもらう時間を稼ぐのが片手取りの目的だと想定しています。
そのため、小手を取った本人がやられないこと、取られた者が武器を使えないこと、味方が攻撃しやすい事、などの要件を満たした取り方が良い片手取りだと考えています。
役割と目的が決まれば、受け手は、その目的を達成するために、さらに工夫をした取り方を研究すべきですし、仕手は、目的を達成させないための技の構成というものを考える事ができます。
役割を最大限に果たそうとする事
素直な受け身というのは、役割を最大限に果たそうとする事を言うと思います。受け身を取ることではありません。まして、技を受けてみて仕手の手口を研究することでも無いと思います。
固い稽古では、受け手の役割がかなり果たされた段階から、状況をひっくり返す事を目指すような稽古をすると思います。つまり、役割が果たせていないと稽古にならないわけです。
ですから、初心者のうちは、まずは受け身側が行っていることをよくよく考えて、その実現のために、しかりとした行動を取るべきだと思います。色々なパターンを把握して質の高い受けがどのようなものなのかを考えるようにしましょう。
レベルの調整はギリギリの好みで
受け身側のシチュエーションがわかり、どのような受けが質を高めるのかがわかったら、稽古の際には、相手の力量に合わせて受けの強度を変えましょう。
相手の様子をみて、ギリギリ実行可能な状態を作るか、ギリギリ実行できない状態を作るか、のどちらかがおすすめです。
ここは、稽古をする人の性格で楽しめる方で良いと思います。あくまでも基準は技をしている人が嬉しそうな方にしてあげてください。
ギリギリのところを稽古してもらうのは、かなり難しいことです。このようなコントロールが上手な人が増えると、とても高度な道場になると思います。
正直、よく理解できない間は思いっきりやっておけば良いと思います。(ただ、体格差や腕力の差は生じますので、その点は少し考えた方が良いでしょう。)
技ができないことは全然恥ずかしいことではありません。それは、6段の私でも、できないものはできませんので、恥ずかしがっている場合では無いのです。稽古していくしかありません。
ですから、初心者でシチュエーションの理解などが難しい段階の方であれば、まずは一生懸命に取り組んでいればよいのです。そうすれば、技を稽古する人に対して、良い負荷をかけてあげる事ができると思います。
以上で、今回のお話は終わりです!

コメント