杖術の縦の合わせ法(陰陽進退)の変化について

杖 上段受け 開祖 植芝盛平翁水曜日の稽古では、縦の杖の合わせ法(陰陽進退)を稽古しました。

ちょっと久しぶりな感じがしますが、とても大切な合わせ法です。

ところで、当会の稽古している陰陽進退の型について、映像や本などの資料の有無を確認されることがありますが、現時点では見つかってりません。

31の組杖の一部を切り出したものとして習いましたが、現在、インターネットの映像上で見ることのできる31の組杖は少し内容が違いますから、組杖の中に陰陽進退は出てこないのです。

どうも、かなり古い時代に使われていた型のようですね。

そうなると、本当に正しい型なのかという疑問が生じますが、31の杖の素振りとの整合性を考えれば、間違いなく一部だっただろうと思います。

何らかの理由があって、型が変わったのだろうと思います。

もしくは、いくつかパターンがあるようなので、今はあまり使われない型なのかもしれませんね。

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古い型を知りたい

杖捌き 投げ僕は、古い型を研究するのが大好きなのですが、その理由は二つあります。

一つ目は、開祖の合気道を知りたいと考えた場合は、開祖がお亡くなりになった直後の技が一番開祖の技としての完成度と濃度が高いはずで、時間が経つほど薄れていきますから、できるだけ開祖ご存命中に稽古されていた技を知っておきたいというものです。

そのため、技を確認する場合には、カラー映像よりは白黒映像、映像よりは文書や絵というように古いものに遡って調べることも多いです。

もちろん、あまり古すぎると、今度は開祖の状態まで若返ってしまいますので、技の完成度という視点で考えれば、古ければ古いほど良いというものではないかもしれませんが、開祖の若い頃の技も知りたいと思います。

その理由が二つ目の理由なのですが、技がどのように変化したのかを観察することで、その変化の背景を研究すること事ができ、新しい発見にも繋がるからというものです。

こちらの理由から考えれば、開祖自身の若い頃から晩年までの変化を研究することに大きな意味を持ちますので、とにかく古い資料を得ることができれば参考にできます。良い技とか悪い技とかを考える必要はありません。

面白いのは、その変化の背景にある意味などを研究する時に、実際に変化を産み出した理由と、自分自身が推察した理由が違ってしまっても、さして問題ではないという点です。

例えば、ある型を変化させた理由が、怪我を減らすため・・・だったのに、その理由を知らずに、変化の理由を推察した結果、隙が大きいところを狙うため・・・という結論に辿り着いた場合などです。

もちろん、全然成り立たない結論ではダメですが、その理由が正しく判断できていれば、それで大きな収穫になるというわけです。

本来の理由には辿り着けませんでしたが、自分の目を養い、新たな理を発見する能力を磨くことに成功できましたし、それが今までの自分には無い理合を身に着けることに繋がれば、それで新しい発見に結びつくわけです。

陰陽進退に新しい型というものは存在しませんが、31の組杖の同じ部分が今はどうなっているかという比較はできると思います。

稽古している技が古い型だとわかった場合は、ぜひ新しいものと比較してみることをおすすめいたします。

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