合気道の技の実戦性

015最近、こどもクラスを開設するに当たり、何を教えれば良いのか考えていました。

こどもの成長にプラスになり、武道としてもしっかりしたものを・・・など色々と考えていると、合気道という武道を色々な視点から分析する事ができ、大変参考になりました。

そこで気が付いた事は、合気道の技って危ないものばかりだという事です。

合気道という武道の世間的な評価に関して言えば、実戦性を疑問視する声も多いのが現実です。

「合気道など使えない」という言葉もよく目にします。

そのはずなのに、指導を開始するために技の分析をしてみれば、あの技もこの技も指導したら不味い・・・となります。

要するに、もし、喧嘩などで友達に使ってしまって、万一技が掛かってしまったら・・・という恐怖感が頭に浮かぶのです。

合気道の技は難しいです。

通常なら思ったとおりに技を掛けることはできないでしょう。

しかし、実は、この「思ったとおり」という部分が大きな落とし穴なのです。

目次

技は掛けたいようには掛からないが

合気道の技は、狙ってかける事が難しいと思います。

でも、狙っていない技ならかかってしまう事があるのです。

例えば、演武をする時など、ある程度やる事を決めているのが通常ではないでしょうか。

全部正面打ちを打たせて、自分は1~4教までやるか・・・・みたいな感じですね。

もし、受け手が間違って正面突きを打ってしまった場合、仕切りなおして技のやり直しをするのを目にします。

これを外から見ていると、相手の攻撃がわかっていないとダメなのだから、合気道の技なんかできない、という結論になるです。

しかし、受け手が間違い気づかない場合、仕手は演武を続けるのが通常です。

予定と違う攻撃に対応するのは、予定しない攻撃を受けるより難しい気がしますが、なんとか対応しようとするのです。

そして、なんとか突きを受け止めてみたら、体勢が小手返しに向いた状況になったので、軽く小手を返してみたら相手が崩れ落ちた・・、という技のかかり方をする事は、実際に有るのです。

つまり、技を定めていない状態で、その時に状況に合った技に気が付いた場合、その技は掛かってしまう可能性が高いという事です。

この事が、こどもが合気道をうっかり使ってしまう可能性に恐怖する根拠の一つとなります。

結果の判断能力の問題も

技の結果と責任について、大人はちゃんと把握することができるのです。

ですから、この技は掛けるチャンスがあっても掛けない方が良い、という判断を無意識にするのも当たり前です。

実際、稽古中でも、相手に本気で技を掛けている人はあまり見ないものです。(もちろん、稽古の内容次第ですが)

相手の受け身のレベルがわかりませんしね。

ところが、こどもさんは、技に対する結果について想像ができない事も多いかと思います。

例えば、道場のマットの上で相手を倒すのと、教室の床のうえで相手を倒す事では、格段にリスクが上がってしまいますが、そのリスクについて適切に見積もる事は難しいかもしれません。

技そのものが持つ実戦性は高いようだ

合気道の投げ技は、だいたい頭から落とすような技法が多いです。

肘、肩を極めて投げる技も有ります。

柔道の背負い投げのような技ももちろん有ります。(普段は崩して稽古します)

実際、どれも指導は慎重に考えないと怖いです。(^_^;)

こどもの合気道クラスでは、こういう危ない技は、取り敢えず避けておいて、身体の強化に繋がる、呼吸や体幹を練る事ができる技を稽古するのが良いのだろうと思います。

そして、本人が危険性を認識できるようになってきたら、こういう技にも取り組むのが一番良いかと思います。

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