型稽古の中で動作の質を養う

Image42型稽古では動作が決まっています。

動作が決まっているため、強化するのは、動作そのもののシャープさや、剛性、柔軟性などです。

最小の動き、最大の動き、繊細な動き、豪胆な動き、など同じ動作の中で、異なった動作の質を追求する事ができます。

合気道の場合、相手の意図を捉えた行動を取る事が重要なのですが、それを可能にするためには、まず自分自身の動きの分析を行うことが大切です。

自分の動きの質が低ければ、相手の意図を捉える事ができても動きが取れません。

例えば、入り身転換投げの受け身ですが、仕手が180度以上の転換を行う場合、受け身の経験が無い人はついていけません。

もちろん、初心者に転換投げを行う時は、スピードを落とすか、転換の角度を小さくするのですが、仮に、180度の転換を望んでしまうと、受け手が横に倒れるだけになるでしょう。(^_^;)

受け手の動作の質として、仕手の回転に合わせてバランスを保てる動きが必要なのがわかります。

動きの質を変える為の型稽古

単にスムーズに型をこなす稽古をしても、自分の動きの質が変わっていく可能性は低くなります。

もちろん、型そのものの表現は上手くなるでしょうが、単調になっていく事が多いです。

同じ動きを繰り返すことが目的の稽古になってしまい、ある程度でつまらなくなるのです。

動きの質を向上させるためには、今回はスピード、今回は剛性など、自分なりの課題を持って取り組むことが大切です。

型ではなく動作の質を実戦に活かす

稽古で研究した動作は、身体に染み込ませて習得したのですから、咄嗟の時にも出やすいものだと思います。

有事の際に型稽古が役立たたないとされてしまう大きな理由は、型そのものを出そうとする事に有ると思います。

もし、動きの質がたいして向上せず、型の表現のみが上手くなってしまった場合、動きの質は使えないので、咄嗟に型そのものが出せるかという問題になります。

ただ、仮に型を出すことができても、型が使用状況に当てはまらないなら、結局使えないという結論になってしまいます。

ところが、咄嗟に型は出なくても、小手が、足が、体幹が、型稽古で高めてきた動作の質を発揮すれば、型稽古で培ったものが利用できている事になるのです。

もちろん、利用する能力は動作の質なのですから、どのように動いても活用することが可能です。

咄嗟に型を利用しようとするよりも、こちらの方が合理的である事がわかって頂けると思います。

つまり、日頃の稽古で意識すべきなのは、なんとなく良い型全体の表現では無くて、各動作を繊細に習得している事だと考えます。

何度も繰り返して稽古するという、型稽古の良いところをしっかりと考えながら、自分なりの目標を持って研究を進めて頂ければ、きっと実際に役立つ稽古が可能だと思います。