体(たい)を開く

この日は、彦根市立鳥居本中学校の武道館で稽古でした。

剣術
気結びの太刀
体術
一教の表・裏、体(たい)を開く
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体(たい)を開くということ

まずは開祖の動きを見てみましょう。ちょうど、2分20秒くらいからの小手返しが特にわかりやすいかと思います。

これを初めて見た時、意外とバタバタした動きだなぁと感じました。youtubeで他の小手返しの動画を探してみてください。綺麗に見えるものは、ほとんどこのバタバタ感が無いと思います。

なぜなのでしょうか? それは「体を開け」という言葉と、「どこまでも開け」という言葉が存在してるからでしょう。

まず、「体を開く」というのは、体軸を中心に、半身を、まるで本を開くように動かしつつ転換することです。

そもそも、人間の足は体軸の中心にありません。ですから、普通に転換動作を繰り返すと、回りやすさに注意がいってしまい、爪先中心の回転動作になります。

それは、本を開かずに、片方のページの端を軸に全体を回しただけと同じなります。転換動作で言えば、前足の爪先中心に全体で回ってしまうと、体は開かないわけです。

次に、「どこまでも開け」とい言葉を素直に解釈しましょう。それは、右手で小手を掴んだ場合の小手返しで考えれば、左半身がどこまでも背面に開き続けるという事です。

しかし、人間には、実際に中心に軸があるわけではありません。体軸中心に左半身を開き続けようと思うと、どうしても右足を動かす必要が生じる時がきます。

要するに、体軸を中心に、どこまでも開き続ける事が可能な体の使い方を考えれば、どうしても動画の開祖のような動きになるはずなのです。

以上の理屈を踏まえて、もう一度、小手返しの開祖の動画を確認してください。右半身、背中付近、体軸などをじっくり確認してみると、体を開くというイメージが掴めるかもしれません。

ちなみに、体軸中心に体を開く動作が小手返しの際に実行されると、背中を中心としたテコの原理による崩しが実現されます。

仮に爪先中心に転換して相手に貼りついてしまうと、①転換の影響が無い、②手で引っ張って崩す、③下がって崩す、のどれかに陥ってしまい。②・③の場合、タックル・回りざまの当身を非常にもらいやすい状態になります。

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